秦はなぜ中華を統一し信長はなぜ天下統一に近づけたのか

大企業が

「もう、終身雇用はできません」

と明言し始めています(2019年6月現在)。

 

国際的な競争にさらされ、生産性を上げなければいけないという命題のもと、日本的経営の象徴だった終身雇用・年功序列は崩れつつあります。

 

一部の例外を除いて

旧来のシステムから脱して、時代の変化に対応できるシステム・組織に切り替えられるところが勝ち残っていくのは間違いない。

 

新入社員が自分より多く報酬をもらうのはけしからん、と既存社員が言っているような、既存のシステムにしがみついている企業は、早晩市場から退出することになります。

 

逆に、早々に新しいシステムに切り替えられたところが、次の時代を作ります。

 

歴史上、そのような事例をいくつも見ることができます。

 

秦はなぜ中華を統一し、信長はなぜ天下統一に近づけたのか

秦と信長の共通点

500年におよぶ戦乱を統一した秦。

 

100年続いた戦国時代を終わりに近づけた織田信長。

 

この両者には、共通点があります。

 

それは

他国が採用している従来の統治システムから、新しい統治システムに切り替えた

ということ。

 

それも

領土を広げていく過程でシステムを入れ替えたのではなく

トップに立つため(この場合、統一するため)に、それに耐えうるシステムを採用し、結果国力を飛躍的に上げた

 

という点が共通しています。

 

システム採用 − 秦の場合

秦以外の諸国は、周の時代以降の封建制度をそのまま採用し続けていました。

 

封建制度とは、王のもとに世襲の諸侯がいて、その諸侯が各地を治めるという間接統治の形態。

 

よくあるイメージのように、王が人民を直接統治するという形態ではありませんでした。

 

この形態の弱点は、王は絶対的な支配者ではなく、多くの諸侯の相対的強者に過ぎず、軍事や行政の効率性やスピードが著しく遅かったということ。

 

秦もこの体制をとっていたわけですが、始皇帝からさかのぼること150年前ぐらいから、諸侯による間接支配から、王による直接支配に切り替えていきます。

 

それによって、他国に比べて軍事・行政の効率化が進み、徐々に他国より国力を増大させます。

 

その結果が、始皇帝による中華統一に結実したわけです。

 

システム採用 − 信長の場合

戦国時代の日本も、上記の封建制度による支配がなされていました。

 

鎌倉時代の「御恩と奉公」、つまり軍役を負担する代わりに領土を安堵されるという考え方をベースとして

 

領主が将軍や大名から所領をもらい、そこを統治。

将軍や大名は、領主の下にいる者を直接統治していたわけではありませんでした。

 

下克上が成立しやすい統治体制であったと言えます。

 

信長は、それをドラスティックに変えました。

 

配下の武士を城下町に集住させ、報酬を与えるシステムに変更。

 

これによって武士は、

それまでは半独立の契約社員のようなものだったのが、働いた分の報酬をもらう社員のような存在に。

相対的に、他の大名に比べて支配力が高くなり、統一事業のスピードが早まります。

 

支配地を広めた後には、各地を臣下に任せる間接統治の形はとりましたが、その地位は信長の指令次第ですぐに変わりました。

 

本社のオーナー社長の権限が圧倒的に強く、子会社の社長は社員の延長にあったといえば分かりやすいかな。

 

この違いが、信長がなみいる強国を圧して天下取りに近づく要因となりました。

 

知の探索・深化

成長・拡大・発展を望む企業・事業者が

「イノベーション」

という言葉を使うことがあります。

 

しかし多くの場合、イノベーションではなく従来の構造の中での成長・発展や拡大のための施策を打ち、それを持って「イノベーション」と強弁している例が多いです。

 

従来の事業・組織をそのまま強化拡大するのは

「知の深化」であって、新しい知を探索することではありません。

 

そしてイノベーションとは、「知の探索」です。

※知の探索・深化は、早稲田大学大学院教授の入山章栄氏が考えた言葉

 

従来の構造の延長上にない、異なる視点を取り入れた施策がイノベーション。

 

秦以外の国が、王に従う諸侯を増やしても

織田家以外の大名が、兵力を増やすのも

すべて、イノベーションではなく、既存事業の強化。知の深化です。

 

秦や信長がやったように、異なる視点で物事を見、従来の構造とは違う構造を持つ施策を取り入れいれる。

 

これが知の探索であり、正しい意味でのイノベーションです。

 

そしてこれからの時代に勝ち残っていくのは・・・

 

いうまでもなく、従来の構造にとらわれず、新しいシステムに適応した事業者です。

 

そのためには、これまでの行動範囲から一歩踏み出して、新しい世界に触れてみることが大事かと思います。

 

そうすることで視点・視座が変わり、既存地と掛け合わせることで新しい知を探索することができます。

 

もう、これまでの成功法則が通用する時代は終わりました。

本質的な考え方は普遍ですが、やり方・方法論は進化し続けます。

 

それに対応し、勝ち残っていくために、新しい視座を積極的に取り入れたいですね。

 

それでは今日はここまで。

 

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